T2K実験,ニュートリノ振動に関する新たな実験結果を発表

当研究室が参加しているT2K実験グループは,ロンドンで行われたニュートリノ国際会議(NEUTRINO2016)で,(反)ニュートリノ振動に関する新たな結果を公表しました。2016年のデータ収集により反ニュートリノのデータ量を昨年夏の時点に比べほぼ倍としたことに加えて,ニュートリノと反ニュートリノのデータを同時に使う新たな手法での解析を行いました。
原子炉ニュートリノ実験による反電子ニュートリノ消失測定の結果と組み合わせて,3世代のニュートリノ振動の枠組みで解析を行った場合,CP非対称性をおこす位相(δCP)の値の90%信頼区間は通常質量順序(逆質量順序)に対して[–3.02; –0.49] ([–1.87 ; –0.98])となりました。CP対称性が保存されるδCPの値(δCP=0とδCP=π)はふたつともこの区間の外にあります。ただし,まだデータ量が十分ではなく,統計的に有意ではありません。T2K実験グループは今後もデータ収集を続け,解析を改良することで感度を高めて,CP非保存現象の探索を続ける予定です。