超新星ニュートリノ観測30周年を記念して研究会・祝賀会を開催

日本のカミオカンデ実験や米国のIMB実験により超新星1987Aからのニュートリノが観測されてから,今月で30年になります。理論的・実験/観測的な研究の現状と,現在計画されているハイパーカミオカンデでの可能性を議論するための研究会を,2017年2月12-13日に小柴ホールで開催しました。100名以上の参加者(約半数は国外から)があり,活発な議論が行われました。

また,12日夜には超新星ニュートリノ観測30周年を記念した祝賀会が行われ,カミオカンデ実験・IMB実験それぞれのメンバーから,当時の思い出や貴重な資料などが披露されました。

研究会の情報や発表ファイルは以下のページで見ることができます。
http://www-sk.icrr.u-tokyo.ac.jp/indico/conferenceDisplay.py?ovw=True&confId=2935

研究会参加者の集合写真

 

T2K実験,前置ニュートリノ検出器アップグレード計画始動

2017年2月,T2K国際共同研究グループは,前置ニュートリノ検出器をアップグレードするプロジェクトを開始しました。T2K実験では現在ニュートリノセクターにおけるCP対称性の破れの兆候をつかみ始めており,今後データ収集を続けるとともに系統誤差を削減して測定精度の向上を目指します。系統誤差の要因の一つである,ニュートリノが検出器内でどのような反応を起こすかに関する不定性を減らすため,J-PARC施設内に設置された前置検出器をアップグレードすることを決めました。現在は概念設計の段階ですが,2017年内に技術設計を進め,提案書をまとめる予定です。今後予定されているJ-PARCメインリングのビーム強度の向上を最大限に生かせるよう,2020年ごろのインストールを目標にしています。

本研究室の横山将志 准教授は,2013年から前置検出器のアップグレードに関する議論を主導してきました。今後も副プロジェクトリーダーとして,プロジェクトリーダーであるサクレー研究所(フランス)のMarco Zito博士とともにプロジェクトを主導していきます。

http://t2k-experiment.org/ja/2017/02/t2k-near-detector-upgrade/

ハイパーカミオカンデに関する会議をロンドンで開催

7/10,11に,ロンドン・クイーンメリー大学でハイパーカミオカンデ実験に関するオープンミーティングが開かれました。ハイパーカミオカンデに興味のある研究者なら誰でも参加できるオープンミーティングで,他の実験の経験や開発の成果を発表する講演が行われ,今後の協力について話し合われました。本研究室からは横山が,”Physics Potential of Hyper-Kamiokande”というタイトルで,ハイパーカミオカンデで期待される科学的な成果を紹介する講演を行いました。

引き続いて,7/11から7/13までは,ハイパーカミオカンデ実験グループの全体会議が行われ,研究開発の成果に基づいて議論が行われました。当研究室からは,婁が “Development of the 50 cm hybrid photo-detector for a test in water” というタイトルで,光検出器の開発に関する講演を行いました。

Lou-HK-July2016

NEUTRINO2016国際会議でポスター発表

当研究室の婁 天濛が,ロンドンで開かれたニュートリノ国際会議で “Development and Performance Evaluation of Large-Aperture Hybrid Photo-Detector for Hyper-Kamiokande” というタイトルのポスター発表を行いました。

ニュートリノ国際会議は,隔年で行われ世界中のニュートリノ研究者が集まる会議で,最新の実験結果や将来の研究計画が公表され,その内容について議論されます。今回のニュートリノ国際会議はロンドンで開催され,過去最高となる700名近い参加者が集まりました。

T2K実験,ニュートリノ振動に関する新たな実験結果を発表

当研究室が参加しているT2K実験グループは,ロンドンで行われたニュートリノ国際会議(NEUTRINO2016)で,(反)ニュートリノ振動に関する新たな結果を公表しました。2016年のデータ収集により反ニュートリノのデータ量を昨年夏の時点に比べほぼ倍としたことに加えて,ニュートリノと反ニュートリノのデータを同時に使う新たな手法での解析を行いました。
原子炉ニュートリノ実験による反電子ニュートリノ消失測定の結果と組み合わせて,3世代のニュートリノ振動の枠組みで解析を行った場合,CP非対称性をおこす位相(δCP)の値の90%信頼区間は通常質量順序(逆質量順序)に対して[–3.02; –0.49] ([–1.87 ; –0.98])となりました。CP対称性が保存されるδCPの値(δCP=0とδCP=π)はふたつともこの区間の外にあります。ただし,まだデータ量が十分ではなく,統計的に有意ではありません。T2K実験グループは今後もデータ収集を続け,解析を改良することで感度を高めて,CP非保存現象の探索を続ける予定です。

Belle II実験SVD第6層用ラダーの実機製作開始

当研究室では,これまでBelle II検出器の心臓部にあたるシリコンバーテックス検出器(SVD)の開発を中心となって進めてきました。SVDは,半導体検出器や信号読み出し回路を組み合わせた「ラダー」と呼ばれる構造体を円筒形に並べたものを層状に組み合わせて製作されます。
ラダーの製作は世界中で分担して行われますが,我々は,Belle II検出器のSVDの中で最も外側に置かれる第6層用ラダーの生産を担当しています。外側に置かれるために最も大きく,機械的強度を保ちながら精密な組み立てが要求されるなど,開発には多くの技術的な困難がありましたが,数年間に及ぶR&Dを終えていよいよ実機の生産が始まり,2016年6月に最初のラダーが完成しました。

First-L6

ニュートリノ検出器のインストール

当研究室の古賀を中心とする大学院生が設計・建設を進めてきた,新たなニュートリノ検出器 “INGRID water module” が,T2K前置検出器ホールにインストールされました。今後動作確認と調整を進め,秋以降のニュートリノビームによるデータ収集に備えます。

watermodule