次世代ニュートリノ科学連携研究機構が発足

2017年10月1日,大学院理学系研究科と宇宙線研究所,カブリ数物連携宇宙研究機構の3つの部局が協力し,将来のニュートリノ研究の基幹設備となるハイパーカミオカンデ計画の推進を目的として,「次世代ニュートリノ科学連携研究機構」(NNSO)が創設されました。
理学系研究科からは,当研究室の横山将志 准教授(写真),相原博昭 教授,岩本康之介 研究員が参加しています。

T2K実験,ニュートリノの「CP対称性の破れ」に迫る

本研究室の横山准教授らが参加するT2K実験では,J-PARC加速器で人工的に作り出したニュートリノビームを295km離れたスーパーカミオカンデで観測し,ニュートリノ振動の研究を行っています。

2016年10月~2017年4月に取得したデータを加え,2016年夏の結果公表からニュートリノビームのデータ量を約2倍に増やして世界最高感度の測定を行った結果,ニュートリノにおいてCP対称性が破れている可能性はさらに高まり,95%となったことを公表しました。

T2K実験では,今後もデータ収集を続けるとともに,ニュートリノビームを生成するビームラインや前置検出器のアップグレードを行い,系統誤差を削減して精度の良い測定を行い,CP非対称性の破れに迫っていきます。本研究室では横山准教授が前置ニュートリノ検出器のアップグレードプロジェクトのリーダーをつとめるほか,大学院生もT2K実験で重要な役割を果たしています。

J-PARC施設見学ツアー

2017/6/10(土)に,主に 東京大学 大学院理学系研究科 物理学専攻での素粒子原子核実験・加速器分野(A2サブコース)での研究に興味がある学部生を対象に,世界最高クラスの強度を持つ陽子加速器施設,J-PARCの見学会を開催します。

詳細については,以下のページをごらんください。

J-PARC 施設見学ツアー 2017

新メンバー

新年度になり,研究室に新しいメンバーが加わりました。

  • 岩本康之介(特任研究員,ロチェスター大学出身)
  • 藤田 亮(M1)

今後の活躍に期待がかかります。

清水さん送別会

本年度博士の学位を取得した清水信宏さんの送別会が行われました。4月からは,大阪大学の研究員として,J-PARCでK中間子の稀崩壊を探索するKOTO実験で活躍の予定です。

日本物理学会

3月17-20日に大阪大学で開かれた日本物理学会第72回年次大会で,小瀬,Mora,Wan,田村,細見,竹馬,古賀 が講演を行いました。

超新星ニュートリノ観測30周年を記念して研究会・祝賀会を開催

日本のカミオカンデ実験や米国のIMB実験により超新星1987Aからのニュートリノが観測されてから,今月で30年になります。理論的・実験/観測的な研究の現状と,現在計画されているハイパーカミオカンデでの可能性を議論するための研究会を,2017年2月12-13日に小柴ホールで開催しました。100名以上の参加者(約半数は国外から)があり,活発な議論が行われました。

また,12日夜には超新星ニュートリノ観測30周年を記念した祝賀会が行われ,カミオカンデ実験・IMB実験それぞれのメンバーから,当時の思い出や貴重な資料などが披露されました。

研究会の情報や発表ファイルは以下のページで見ることができます。
http://www-sk.icrr.u-tokyo.ac.jp/indico/conferenceDisplay.py?ovw=True&confId=2935

研究会参加者の集合写真

 

T2K実験,前置ニュートリノ検出器アップグレード計画始動

2017年2月,T2K国際共同研究グループは,前置ニュートリノ検出器をアップグレードするプロジェクトを開始しました。T2K実験では現在ニュートリノセクターにおけるCP対称性の破れの兆候をつかみ始めており,今後データ収集を続けるとともに系統誤差を削減して測定精度の向上を目指します。系統誤差の要因の一つである,ニュートリノが検出器内でどのような反応を起こすかに関する不定性を減らすため,J-PARC施設内に設置された前置検出器をアップグレードすることを決めました。現在は概念設計の段階ですが,2017年内に技術設計を進め,提案書をまとめる予定です。今後予定されているJ-PARCメインリングのビーム強度の向上を最大限に生かせるよう,2020年ごろのインストールを目標にしています。

本研究室の横山将志 准教授は,2013年から前置検出器のアップグレードに関する議論を主導してきました。今後も副プロジェクトリーダーとして,プロジェクトリーダーであるサクレー研究所(フランス)のMarco Zito博士とともにプロジェクトを主導していきます。

http://t2k-experiment.org/ja/2017/02/t2k-near-detector-upgrade/