素粒子って?

本研究室は,「素粒子の実験的研究」を行なっています。でも一体,「素粒子」って何でしょうか?

「素粒子」とは,「物質を細かくしていったときに,それ以上分割できない物質の最小構成単位」のことです。地球上の全てのものや,太陽,宇宙の星々に至るまで,我々の知る全ての物質は「原子」からできています。そもそも英語で「原子」を表す”atom”の語源は,「分割不可能な存在」という意味でした。ところが,20世紀初頭には,原子もより小さい単位から構成されていることがわかりました。原子の中心には陽子や中性子からなる原子核が存在し,その周りに電子が存在していることが発見されたのです。さらに研究が進むと,20世紀の半ばには,陽子や中性子もさらに小さな粒子からできていることがわかり,それらの粒子はクォークと名付けられました。現在では,この「クォーク」と,電子の仲間である「レプトン」が素粒子であると考えられています。

また,素粒子の間に働く力(相互作用)も,粒子が媒介することで伝達されると考えられています。素粒子の間に働く基本的な相互作用には,「電磁相互作用」「強い相互作用」「弱い相互作用」「重力」の4つがあります。このうち,重力は素粒子の世界ではとても弱いため,通常はその効果を考える必要がありません。電磁相互作用は光子が,強い相互作用はグルーオン,弱い相互作用はWやZと名付けられた粒子がそれぞれ媒介します。そのほかに,これらの素粒子に質量を与えるヒッグス機構によって生まれる「ヒッグス粒子」が存在します。

これら,素粒子の性質やその間に働く相互作用を研究し,宇宙や物質の成り立ちを根本的に理解することを目標にしているのが,素粒子物理学です。現在までに理解されている素粒子物理の法則は,「標準模型(スタンダードモデル)」と呼ばれる理論にまとめられています。標準模型に登場する素粒子の一覧を下の図に示します。(出典:ひっぐすたん

我々の研究室では,この中で特に「ニュートリノ」や「ボトムクォーク」「タウ粒子」を主な研究対象として,世界最先端の施設を用いた実験を行なっています。