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専門分野素粒子物理学実験

スーパーカミオカンデの内部で(2018年)

この世界は,何でできているのか?という,単純な問いを究極まで突き詰める学問が,素粒子物理学です。
より小さな(根源的な)物質の構成単位を求めて探求を続けてきた結果,現在の素粒子物理学の知見は「標準模型」と呼ばれる理論体系にまとめられています。素粒子の標準模型は,これまでの全ての実験結果を高精度で説明することのできる,科学の金字塔と言ってもよい成功した理論体系です。
一方で,クォークやレプトンになぜ「世代」があるのか,素粒子の間にはたらく力を統一的に記述することはできるのか,暗黒物質や暗黒エネルギーの正体は何なのか,などなどなど,標準模型の範囲内では説明ができない謎もまだ多く残されています。そこで,現在の標準模型を越えた「究極の理論」への新たな手がかりを求めて,世界中で研究が続けられています。
また近年では,ミクロの世界の素粒子の研究が,広大な宇宙の成り立ちや進化の研究ともより深く密接に関連するようになり,より大きな謎に立ち向かうべく,領域を超えた研究も盛んになっています。

私は,これらの謎を解明するための手がかりを求めて,ニュートリノという素粒子に着目して実験的な研究を進めています。加速器で人工的に作り出したニュートリノビームを約300km離れたスーパーカミオカンデ検出器に打ち込むT2K実験で,ニュートリノ振動の詳細な研究をしています。また,スーパーカミオカンデ検出器のデータを使って,大統一理論で予言される陽子崩壊の探索もしています。さらに,スーパーカミオカンデの後継機であるハイパーカミオカンデ検出器の建設を進めています。ニュートリノの粒子・反粒子の対称性の破れや,陽子崩壊の探索を進め,素粒子の新たな性質を明らかにしたいと考えています。

私のこれまでの経歴などについては自己紹介のページを、研究活動の詳細については研究内容のページをご覧下さい。


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〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1 東京大学 理学系研究科 物理学専攻
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Email: masashi _ at _ phys.s.u-tokyo.ac.jp